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内窓(二重窓)の断熱効果は、既存の外窓との間に生まれる「中間空気層」が熱の移動を抑制することで発揮されます。この仕組みにより、室内外の熱移動が減少され、冷暖房費の削減・結露防止・防音の3つの効果が同時に得られます。費用の目安は内窓設置の費用相場はいくら?で整理しています。
この記事では、断熱効果が生まれる物理的な理由から、実際の削減効果の目安、補助金制度まで、内窓リフォームを検討する前に知っておくべき情報をまとめています。
内窓(二重窓)とは?基本的な仕組みをわかりやすく解説
内窓とは、既存の外窓の内側にもう1枚設置する窓のことです。「二重窓」や「二重サッシ」とも呼ばれ、外窓と内窓の間に数センチ(通常70〜100mm程度)の空気層が生まれます。この空気層こそが断熱・防音効果の源です。
外窓を取り替えるリフォームと違い、内窓は既存の窓枠を活かして内側に取り付けるだけなので、工事は1窓あたり1〜2時間程度で完了します。マンションでも管理規約の制限を受けにくく、比較的手軽に施工できるのが特徴です。
| 項目 | 内窓(二重窓) | 外窓交換(カバー工法) |
|---|---|---|
| 工事時間 | 1窓あたり1〜2時間 | 1窓あたり3〜5時間 |
| マンションでの施工 | 原則可能(専有部の内側) | 管理組合の許可が必要なケースが多い |
| 費用相場(1窓) | 3万〜15万円程度 | 10万〜30万円程度 |
| 断熱性能向上 | 大幅に向上 | 大幅に向上 |
内窓が持つ断熱効果の仕組み|なぜ暖かくなるのか
内窓の断熱効果は、空気の熱伝導率の低さを利用しています。空気の熱伝導率は約0.024W/(m·K)で、ガラスの約1.0W/(m·K)と比べると約40分の1しかありません。つまり、外窓と内窓の間に閉じ込められた空気の層が、熱を通しにくいバリアとして機能します。
熱が移動する3つの経路をすべてブロック
熱の移動には「熱伝導」「対流」「放射」の3経路があります。内窓はそのすべてを同時に抑制します。
熱伝導を抑える
外窓1枚だけでは屋外の冷気がガラスを伝わって室内に侵入します。内窓を加えると、熱が伝わるルートが外窓→空気層→内窓と長くなり、室内への熱伝導が大きく減少します。
対流を封じ込める
空気層が密閉されることで、冷えた空気が室内へ流れ込む「コールドドラフト」と呼ばれる現象も抑えられます。窓際に立ったときのひやっとした冷気がなくなるのはこのためです。
放射熱を遮断する
Low-E(低放射)ガラスを内窓に採用すると、赤外線の透過を特殊コーティングで反射・遮断します。冬は室内の暖房熱を外へ逃がさず、夏は屋外からの日射熱を室内に入れない効果が得られます。
熱貫流率(U値)が大幅に改善される
窓の断熱性能は「熱貫流率(U値)」で表されます。数値が低いほど断熱性能が高く、一般的なアルミサッシ+単板ガラスのU値は約6.0W/(m²·K)です。内窓を追加するとU値は2.0〜3.0W/(m²·K)程度まで下がり、断熱性能が大幅に向上します。
内窓の主な効果一覧
内窓を設置することで得られる効果は、断熱だけではありません。以下の4つが代表的なメリットです。
- 断熱・保温:室内外の熱移動を削減し、冷暖房効率を向上させる
- 冷暖房費の削減:光熱費の削減が期待できる
- 結露防止:室内側ガラス表面温度が上がり、結露の発生を大幅に抑制する
- 防音・遮音:高い気密性によって外部騒音を低減できる
断熱効果で冷暖房費はどのくらい下がるか
内窓設置後の冷暖房費削減効果は、住宅の規模・気候・既存窓の性能によって異なります。一般的には、年間の光熱費が改善するケースが報告されています。
寒冷地(北海道・東北)では冬の暖房効率が上がり、暖房費の削減が見込めます。温暖地(関東以南)でも、冬の結露対策と合わせて暖房効率が向上します。外窓を高断熱製品に差し替える工法との比較は断熱窓(外窓交換)との効果比較の観点でも検討すると判断しやすくなります。
冷暖房費削減のポイント:熱損失は窓から多く発生
環境省の資料によると、冬の暖房時に室内から逃げる熱の約48%は窓・開口部からとされています。内窓で窓の断熱性能を上げることは、住宅全体の省エネに直結します。
投資回収期間の目安
内窓の費用相場は1窓あたり3万〜15万円(工事費込み)です。補助金を活用した場合、実質負担額が減るケースもあります。光熱費削減効果と補助金活用により、回収期間を短縮できます。
結露防止効果|カビ・湿気トラブルを減らす理由
内窓の設置で結露が大幅に減るのは、室内側のガラス表面温度が上がるためです。結露は「室内の空気が露点温度(水蒸気が凝結し始める温度)を下回った面に触れたとき」に発生します。
たとえば、室温20℃・湿度50%の場合、露点温度は約9℃です。アルミサッシ+単板ガラスでは外気が0℃になると室内側のガラス表面温度も0〜3℃程度まで下がり、結露が発生します。内窓を設置すると室内側ガラス表面温度は15〜17℃程度に保たれるため、露点温度を下回らず結露が生じにくくなります。
結露を放置するとカビ・腐食のリスクがあります
窓枠や壁際に長期間結露が発生すると、カビや木材の腐食につながります。内窓による結露防止は、住宅の耐久性維持にも寄与します。
Low-Eガラスを選ぶと結露防止効果がさらに高まる
Low-Eガラスは特殊金属膜のコーティングにより、放射熱を反射する性能を持ちます。室内の熱を外へ逃がしにくくなるため、ガラス表面温度がさらに高く保たれ、結露防止効果が高くなります。特に寒冷地や北向きの部屋への設置で効果が顕著です。
防音・遮音効果|騒音も同時に抑えられる
内窓は断熱だけでなく、防音効果も発揮します。その仕組みは気密性の向上です。外窓の隙間から侵入していた音の経路が内窓によって遮断され、音が入り込む隙間がなくなります。
内窓の防音性能は騒音低減効果があるとされています。幹線道路沿いや線路近くの住宅では、生活の質の向上が見込めます。一方で開閉の手間や空気層結露などの注意点もあるため、内窓のデメリット・注意点も確認すると後悔しにくくなります。
防音効果を高めるガラスの選び方
- 異厚複層ガラス(ガラスの厚みを変えた複層ガラス)
2枚のガラスの厚みを変えることで、同じ厚みのガラスで発生しやすい「コインシデンス効果(特定音域の遮音性能が下がる現象)」を防ぎ、幅広い周波数の音を遮断します。 - 防音合わせガラス
2枚のガラスの間に防音フィルムを挟んだガラスで、高い遮音性能を実現します。騒音に特に悩んでいる場合の選択肢です。 - 単板ガラス(一般的なフロートガラス)
コストを抑えたい場合の選択肢ですが、断熱・遮音ともに複層ガラスより性能は低くなります。
内窓の効果が出やすい住宅・出にくい住宅の違い
内窓の効果は、既存の外窓の状態や住宅の構造によって大きく異なります。設置前に自宅の条件を確認しておきましょう。
効果が出やすいケース
- 外窓がアルミサッシ+単板ガラス(築20年以上の住宅に多い)
- 冬の結露や窓際の寒さが強い(寒冷地・北向きの部屋)
- 道路・線路・工場が近く騒音が気になる
- 窓の数が多い・窓面積が大きい住宅(リビングの掃き出し窓など)
効果が出にくいケース
- 外窓がすでに複層ガラスやペアガラスの場合:ある程度断熱性が確保されているため、内窓追加による改善幅は小さくなります。
- 施工時に隙間が生じた場合:内窓の枠と窓台の間に隙間があると、気密性が下がり断熱・防音効果が大きく損なわれます。施工精度の高い業者を選ぶことが不可欠です。
- 窓以外の断熱が弱い場合:壁・床・天井の断熱が十分でないと、窓だけを改善しても室温の体感は限定的になることがあります。住宅全体の熱損失バランスを意識してください。
補助金を組み合わせれば導入ハードルが下がります。補助金を使って設置コストを下げる流れは制度解説の記事で整理しています。
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